ドローンの安全性に100%は存在しない。

先日ブルーインパルス見ていてすごいなー、格好いいなと思った人は多いと思います。
しかし、あれだけの飛行が出来るのはそれだけの技術が必要でやれないのが実情

ドローンを飛行していると「安定している」と見ている方からの意見が多い。
「これだったら、事故って少ないんじゃないの?」そう思っている方もいらっしゃいますね。

しかし、ドローンの安全性に100%は存在しない

結局は機械であり、操縦者の力量や現場環境によって「制御不能」「操縦不能」に陥る事故が発生している。
どのようなトラブルが多いのかを紹介

平成28年度に起きた事故報告は1年間で55件。あくまで任意の情報提供なので、実際の数から考えると極少です。

1.・練習飛行のため、自宅庭で飛行させていたところ、急な雨と風の影響で機体を見失い、約200m離れた民家の倉庫の屋根に墜落した。
   ・本件事案により民家の倉庫の屋根が破損した。
※なお、操縦者の操縦経験は1時間未満。

気象状況を把握できなかったのが大きな要因と考えられます。
また操縦者がパニック状態に冷静な判断ができる操縦力も、操縦経験1時間未満なので備わっていなかったのかもしれません。
倉庫の屋根に墜落したことで大惨事にならなかったのが不幸中の幸いです。

2.・撮影依頼を受けて、河川で飛行させていたところ、制御不能となり付近の林に機体が墜落
    し、紛失した。
   ・後日、機体は回収された。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は150時間以上。

制御不能の原因特定はできていないようですが、操縦経験150時間以上の方なので単純な操作ミスではないと考えれます。

3.・空撮測量のため、飛行させていたところ、機体からプロペラが外れ、墜落した。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は20時間以上。

飛行中にプロペラが外れるのは、よほどの状況ですね。多少緩かったり、しっかりと付けていなかったら離陸時にプロペラが飛んで行くと考えられますが…。
プロペラのモーター部に砂などが入り込み、飛行中の回転ムラ等によりプロペラが緩んで脱落したと思われる。
むき出しなモータ部のメンテナンスは怠ったら、このように事故になる可能性あり。

4.・機体のgo home機能確認点検のため、飛行させていたところ、機体が帰還せず、紛失した。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は不明。

テストで go home (自動帰還)を作動させたら、機体が戻ってこなく、そのまま紛失。
機体が回収されたかどうか記載がないので、そのままどこかで墜落していると考えられます。
テスト飛行とは言え、Go Home を過信しすぎて目を離していたのでしょうか。異常を感じたら Go Home をキャンセルして、手動で帰還させることもできたはずです。

5.・空撮のため、飛行させていたところ、操縦操作を誤り、林の中に墜落し、紛失した。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は50時間以上。

【原因分析】
・バッテリー残量の判断を誤り、かつホームロック操作(機体をホーム地点に戻す操作)を誤ったためと思われる。
   操縦操作のミスにより墜落ではなく、バッテリー残量とGo Home機能の途中で墜落

6.・社内訓練のため、飛行させていたところ、操縦不能となり、海上に墜落した。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は40時間以上。

「風の影響があった」との記載がありましたが、風だけでは操縦不能にならないので、バランスを崩したのか、風に流されているのを把握できなかったのか。
  風の影響から「力量に合わない。飛行させない」という選択が必要

7.・空撮のため、飛行させていたところ、制御不能となり、空港に隣接する店舗の普通自動車に接触し、墜落した。
   ・本件事案により普通自動車の左側面ドアに擦り傷を与えた。
※なお、操縦者の操縦経験は300時間以上。

空港付近でもしもの大惨事が起こり得る事案です。
自動車に接触して墜落したのも不幸中の幸いだったかもしれません。操縦経験300時間以上のベテランでも制御不能になり得る=ドローンは100%ではない

8.・空撮のため、飛行させていたところ、突然動作が停止し、墜落した。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は30時間以上

高温環境での飛行によりメーカーの規定する動作保証温度40度を超え、異常加熱によるバッテリーの出力電圧が低下したため動作が停止したものと思われる。
日本の夏は暑いので、もしバッテリー関連なら他にも同様の事案が出てくるはずです。単純なバッテリーの不備ではなさそうな気がします。

9.・空撮のため、飛行させていたところ、通信が途絶し操縦不能となり、紛失した。
   ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は80時間以上。

ファームウェアアップデート後に何らかの不具合が生じた可能性が考えられるが、原因は不明(特定に至らず)
人口集中地区で操縦不能になって、そのままどこかへ飛んでいって紛失…。想像しただけでも怖いですね。

9.・空撮のため、飛行させていたところ、通信が途絶し操縦不能となり、紛失した。
・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。

・直線的な見通しの範囲外となり通信が途絶え、また、山の斜面により捕捉するGPS数が不足したため自律飛行が中断し、
    通信途絶時に起動する自動帰還が作動しなかったためと思われる。
   GPSの数が少なくなり、自律飛行ではなくGPSなしでの飛行。その後、通信が途絶えるが、自動帰還が作動せず。そのまま紛失。

10.・植生調査の飛行を終え、着陸させようとしていたところ、機体が制御不能となり、約700m離れた民家の屋根に墜落した。
     ・本件事案により民家の屋根に損傷を与えた。
※なお、操縦者の操縦経験は20時間以上。

着陸しようとしたら制御不能になり、そのまま700m離れた民家に墜落
700mと言ったら、もはや人間の目では見られない距離です。文章上から推測するに、バッテリー残量がなくなって落ちたっぽいです。

11.・趣味のため、飛行させていたところ、操縦不能となり、紛失した。
     ・本件事案による人の負傷及び物件の被害はなかった。
※なお、操縦者の操縦経験は0時間。

これが不思議だったのが、「人口集中地区」かつ「物件から30m以内」のエリア・条件だった場所。

そして操縦経験はゼロ。当たり前ですが国土交通省の許可は未取得。
いきなり操縦させて、コントロール不能になって、そのまま紛失…
Go Home も作動していなかった(未設定だった!?)ところを考えると、もはや危険すぎで何も言えない。

操縦経験のあるベテランでさえ、操縦不能になって紛失・墜落している状況を知ってほしい
ベテランでさえ事故が起きるのですから、初心者の方ならもっと操縦不能・事故・紛失が起こる可能性はグンと上がるのは言うまでもない。

「ドローンは安定している」そんな過信が、ときに操縦不能になり、事故を起こします。
飛行エリアの環境を把握して事故を未然に防ぐ、最悪の状況になったとしても冷静に対処できる力量を備える。

どれだけ知識・経験、そして対処法を身につけるかが、最悪の事故を引き起こさない発端と言える。

機体トラブルもありますが、ほとんどは操縦者のミス(操縦、メンテナンス、環境把握など)が起因。
無理をする、容易な気持ちになる。それだけで、いっきに事故を引き寄せるのを忘れてはならない